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TOKYO NOBODY―中野正貴写真集
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人気ランキング : 41268位位
定価 : ¥ 2,625
販売元 : リトルモア
発売日 : 2000-08 |
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怖くて、哀しい |
写真美術館で、これらの作品に出会ったとき、最初は目当ての作家が他にいたので素通りしようとしたのだが、よくよく見帰して動けなくなってしまった。こんな風に静かに、今ある日常は終わってしまうのかもしれない。世界の終わりとは、想像するよりずっとシンプルなことなのかもしれない。現代の遺跡を目の当たりにするような不思議。人がいたという痕跡はそこそこにあっても、街に体温は感じられない。何ともあっけなくて、それが滑稽で、愛しくなって、思わず涙が出そうになった。
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いるはずの処に人は無く、いないはずの処に人はいる。 |
TOKYOという記号に密接不可分な「人」がことごとく消滅した写真はそれ自体確かに面白いし、シャッターを切り終えた瞬間から蠢き始めるであろう人々の空気のようなものが誌面から伝わってくるのはこの写真家の力量のなせる技だろう。
しかし、この本が万人にとって感動を与えるかどうかは疑問だ。恐らく本書に心を動かされるのは、普段から人ごみにあふれた都市で生活する人たち、あるいは都市生活を志向する人たちであって、私のような地方都市のさらに郊外に住む者にとっては一瞥したら終わりというのが正直な感想だ。なぜなら私たちの周囲には田んぼと山と川があるのみで、人が歩いていない光景などは日常茶飯事。「いない」のが当たり前なのである。そういう意味でもこの写真集は扱っている素材(=TOKYO)同様いかにも都会的な内容と言えるだろう。
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人っ子ひとりいない瞬間を待つ。入魂の一作 |
正月の人がいない東京をねらってシャッターを切る。10年それを続けてできたがったのが本作。「人のいない東京」という着眼点もおもしろいが、それを発表できる作品として長い年月をかけて取りためた作者にも敬服する。
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倦怠感と新鮮さ |
誰も居ない東京の風景。
場所を考えれば、皆一つひとつインパクトあります。
ふとある頁で徹夜明け朝帰りで見たあの時の景色を思い出しました。
なんとも言えない倦怠感と、開放された新鮮さ。相反する2つの感慨。
こんな気分に包まれ、一ページ、いちページ堪能しました。
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読者の一時的な興味をひくことには成功しているが |
スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」ではマドリードのグラン・ビア通り、そのリメイク映画「バニラ・スカイ」ではニューヨークのタイムズ・スクェア、そして日本映画「ターン」では東京の新宿通りと、それぞれの大通りから道行く人々の姿が一切排された映像を見ることができました。
各映画の主人公たちが夢の中で目にする幻の世界。その特異な映像の中で、映画を見る者も絶対的な孤独感を味わったものです。
これら3本の映画は、もちろん厳重な通行規制を行なった上で撮影にのぞんだフィクションの世界です。
しかし本書「TOKYO NOBODY」は、そうした人工的な手を一切加えることなく切り出した、ひとっこひとりいない東京の風景です。
巻末にそれぞれの写真の撮影日が英文で表記されていますが、9割がたがJan.、つまり1月に撮影がおこなわれたことが見て取れます。表紙にも使われている銀座7丁目の写真には日の丸が多数掲げられていることからも、元旦に撮られたと思われます。
他の写真も撮影日がMayないしAug.となっているので、大型連休中やお盆休みに撮られたものでしょう。
こうしてみると東京という街は案外、人が姿を消す時間や場所というものがあるものだということに気づかされます。
しかし、この写真集の発想の妙は認めるとしても、作品自体にはさほど魅力を感じません。人が姿を消した東京という街にはほんの一時的な興趣しか湧きませんし、写真自体の色合いに美を感じることもありません。撮影時間の制約上、早朝の写真が多くなっているのでしょうが、くすんだ感じが作品全体を覆っている場合が多く、朝が持つ爽快感はまるでありません。
本書は際物(きわもの)狙いのにおいがして、好感が持てないのです。