基本的人権の事件簿
憲法判例になった事実を分かり易く紹介し、具体例で「基本的人権」を説明した入門書。執筆者は新進気鋭の若手学者ぞろいだ。一般的に、「日本国憲法」は国家機関の行動規範や法律の解釈指針に過ぎないという印象を持たれている。その責任の一端は、高校の「政治経済」の授業による当たり障りのない説明にもあるだろう。しかし、この本を読めば憲法もほかの法律と同じように、具体的な「裁判規範」として機能する「実定法」であることが分かる。 特徴的なのは、「自己決定権」や「プライヴァシーの権利」など新しい概念を詳述していることだ。髪型を選ぶこと、バイクに乗ること、同性愛や路上監視カメラの問題が憲法訴訟の論点になっていることを、知らない人も多いと思う。概説書を要約したような入門書を読むくらいなら、この本をお勧めする。だれもが「法の支配」や「立憲主義」の息吹を感じられることだろう。ぜひ、同じ趣旨で「統治機構」版も出版して欲しい。 |
このページの情報は 2006年6月23日0時31分 時点のものです。 |




