樹海の歩き方
青木ヶ原樹海は、今まで根拠のない噂のみが横行して、ちゃんとした記述はなかったといって良い。動機はどうあれ、実際に入ってみて、現状がどうであるのか、方位磁石が効かないというのはほんとうか、あちこちに自殺体が見られるのか、調べてみる。とりあえず実情を反映した地図を作る。入るために必要な装備を定める。これらは全て、パイオニア的な地域研究には必須である。そんな意味では、この本は非常に基本的な文献スタイルを踏襲している。確かに書中には死体捜しの趣味が横溢しており、袋とじの死体写真までついているが(私個人の感性からすると大したものではない)、読者がその趣味をいかに受け取るかというのはまた別の話である。死体の存在そのものは真実であり、樹海には興味があるが死体は見たくない、というスタンスもそれはそれで疑問符がつくのではないか。
はっきり言って、本のタイトルを「死体の探し方」とでもした方が正確だと思いました。書いてある内容なんて、死体を見つけたらどうするか?とか、装備や心がけに関するうんちく、筆者が発見した複数の死体の詳細なレポート、おまけにとどめの袋とじ(!)などそんなのばかりで、その手のものが好きでない人にはもちろんお勧めできません。まぁ、医療の最前線にでもいない限りは、一般人が親族以外の臨場感のある死体にお目にかかることはまずないわけで、樹海におもむくというのは手っ取り早い手段なのかもしれません。筆者もところどころで厭々やっているようなそぶりでぶつぶつ言いながら書いていますが、なんだかんだ言ってそういうのが好きだからこんな本を書いてしまったのではないでしょうか? そういった心情がわかる人にだけお勧めです。
廃墟ブームの火付け役ともなった著者が、 |
このページの情報は 2006年6月23日0時31分 時点のものです。 |





