遠野物語―付・遠野物語拾遺
あの「共同幻想論」のヒントとなった名著である。
伝説は日本のどこにもあったはずである。何故、遠野が選ばれたのか。 岩手の奥の方は、今でも、違う時代を封入している感がある。明治であれば、江戸時代以前の名残があったであろう。それだけに、伝説が真実味を持って迫って来たことは想像に難くない。 当時の人の天衣無縫な発想を、柳田國男の簡潔にして鮮やかな筆致が伝えてくれる。 私は岩手の出身であるが、ひいき目ではないと思う。 拾遺の中に、三光楼という遊郭に通った男の屋号が三光楼になった、という話がある。普通では考えられないことである。しかし、遠野市出身のあでやかなる女性、三光楼さんは私の憧れの人であった。遠野にも、この珍しい苗字の家は2、3軒しかないということであったが、実在するのである。三光楼さんが言った。「六角牛山に3回雪が降ると遠野の町にも雪が降る」と。通し番号299話までのこの本の、第300話として書き込まれている。
柳田国男が35歳のとき(明治43年、1910年)に発表した衝撃作。もっとも、発表当時は、あまりに内容が異色だったため、世の中からほとんど無視されたらしい。
三島由紀夫も絶賛した、まさしく一部のすきもない旧仮名遣いの名文である。(文語体聖書もなかなか良いが)
怪談・神秘好きの人にお勧めの本です。昔の日本が持つ独得の雰囲気がよく現れていると思います。私はこういうのが好きなのでどんどん読めましたが、前半(遠野物語本編)は歴史的仮名遣いで書かれているので、古典にあまり縁のない方や、国語の苦手な方には読み進めにくいかもしれません。ですが、後半は「日本むかしばなし」的な感じの現代語で書かれているので色々な人におすすめです。 |
このページの情報は 2006年6月23日0時31分 時点のものです。 |




