高校英語教育を変える和訳先渡し授業の試み
本書を要約すると、
この本を読むと、「ヤク(訳)漬け英語教育」の絶望的な現状を改めて認識させられる。そして、その否定的な英語教育の現状を「延命させる」のための「バイブル」として、この「教授法」(和訳先渡し)が一般の学校に広まることを非常に危惧する。
実践的コミュニケーション能力を育成する、と口では簡単に言うけれど、「時間がない」を理由に諦めたり逃げたりしている高校英語教師は全国的には予想以上に多いのではないかと思っています。訳読=理解と刷り込まれている人にとっては今後も大きな変化はないかもしれません。この本を読んで時間を掛けた訳読と時間を短縮した和訳先渡しとでは生徒の英文理解度に大差ないということが目から鱗状態で納得できると思います。先渡しで余る時間を英語運用の活動に当てることで「実践的〜」に大きく近づくことができる、ということがはっきりします。これを実践しないで現状を憂えてばかりいるのは責任逃れかもしれません。
今日アマゾンから届き早速読み進めています。自身、夏の公開授業が終わってから、新しい授業モデルを模索しはじめていたのですが、とてもヒントになりそうです。実は先日留学生を交えたディベートを実施したのをきっかけに、授業にもディベートを取り入れられないかと考えていたのですが、結構時間がかかるため実施時間がネックでした。その点で本著は非常に有効なアイデアを紹介しています。ワンレッスンを和訳先渡し+タスクの設定と言うスタイルで、2~3時間で終わらせる例です。皆さんは通常ワンレッスンどのくらいで進めていますか?生徒や学校の現状によって異なるでしょうが、仮に7~8時間だとすれば、残った約5時間を有効に使うことができることを、示しています。2001年全英連大会の研究発表およびその後の英語力の伸びに対するリサーチ結果も載っています。私にとっては実践したことは無いのでまだ机上のアイデアに過ぎませんが,非常に興味深い一冊でした。教科書に更にアイデアを盛り込みたいのだけれど、授業を進める上で「時間がない」と感じている高校の英語の先生にはmust haveな1冊だと思います。
和訳先渡し授業については、セミナーや雑誌等である程度の知識はあり、授業でも取り入れてみたりしていました。しかし、バリエーションが思いつかなかったり、生徒は英文を独力で読む力がつくのか?等の疑問もありました。本書は、「和訳先渡し授業」の意義、方法の説明とともに、さまざまな教師の疑問にもQ&A形式で答えられていて、とても参考になりました。次の授業は、どういう展開にしようか、とわくわくする気持ちにさせられました。本書を読めば、「和訳先渡し」の真髄がわかるので、それぞれの学校、生徒の実情にあわせた応用も考えやすくなると思います。 |
このページの情報は 2006年6月23日0時32分 時点のものです。 |




