生まれも育ちも生粋の鹿児島県人。(現在は京都市在住ですが…)その私が「なるほど…」と思う記事が多くありました。南九州出身者には見えてこない長所、短所が書かれていて納得の一冊でした。これは、旅行者にとってもすばらしいガイドブックですが、どちらかと言うと、顧客目線を忘れがちなもてなす側(宿泊施設・レストラン・観光施設等)の方々に見ていただきたいですね。惜しむらくは、メジャーな観光地の紹介が多く、今注目の地域までカバー出来ていなかったことでしょうか?
(鹿児島であれば、大隈半島など)けれど、南九州に旅する際は、ぜひ、お供して欲しい名ガイドであることは間違いないでしょう。
とかくガイドブックは「いいこと」ばかり書いてあって、実際に訪れてみると「思っていたのと違った」などということも少なくない。
本書は熊本・宮崎・鹿児島の3県のおすすめスポットの紹介であり、温泉・食・宿の他に「スピリチュアルゾーン」というカテゴリーがあるのが南九州らしくて今ふうなのだろう。
星3つで評価してあるが、実際には星1つ半から半個刻みで星3つまでの4段階となっている。星1つがない理由はよくわからない。厳選して掲載したということであるから、星が1つでもあれば立派なはずなのだが。
星1つ半のスポットの場合、かなり辛口のコメントも見られるので、これが本書の一番良い点だと思う。ここがいいのだが、ここは改善すべきだといった指摘は独善的(あるいは東京的視点)と思えるところはあれど、ちょうちん記事に食傷気味の方には新鮮であろう。
巻末の方に編集者達による座談会が掲載されており、これがまた辛口だったりする。例えばさつま揚げに代表される九州の味付けの「甘さ」に苦言を呈している。九州の人間としては、「客は東京人だけじゃなかとです」と言いたくなるが、味に限らず観光客の好みにどこまで合わせるべきなのかというのは根本的な問題でもある。本書でもその境界線上で評価が揺れ動いている感はあるが、編集者にその基準まで求めても無理というものだから、これはこれでよしとしよう。編集者は彼らのセンスで評価したのである。それに乗っかり出かけてみるのも悪くはないと思う。